高田洋三

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高田洋三参考作品_windscape
WINDSCAPE

Windscapeとは日本語の「風景」を字義的に英訳した造語である。本来見えないはずの風が、風景という視覚世界を示す言葉に含まれていることが面白い。日本人が場所や風土を視覚だけではなく、観念であったり、刹那的な感性を投影する対象としていることを表しているようだ。風とは土地固有の自然現象というだけではなく、世界を流動するものでもある。それは遠くからなにかを運んでくるものであり、こことあらゆる場所をつなぎあわせて去って行く。私にとって風とは、なにかの予兆であり、なにかが起こる時の前触れのようなものだ。

Windscapeという風力発電装置の建設現場を撮った作品は2003年から始まった。建設期間に合わせ、岩手と福島を1~2週間おきに訪れたことがある。その訪問のたびに新しい風車が立ち上がっていることに私は驚き、以前あった景色が異なって見えたことを覚えている。私の動揺を他所に、地上では以前と変わらず牛が草を食み、農家がトラクターを走らせていた。私がそのとき直感したことは、風景とは私たちの知らない場所でいつも変化しているのだということ。そしてその変化のなかに私たちも生きている。私たちは風景に変化をもたらすものであり、同時にその変化に翻弄されて生きているのだ。その変化に創造性というものがあるのならば、私たちはどのような役割を担っているのだろうか。風景の変化が私たちの精神に引き起こすもの、その変化の予兆にもっと意識を傾けてみるべきだろう。
1971年生まれ、札幌出身。東京在住。1995年筑波大学芸術専門学群 総合造形コース卒業。2008-2009 文化庁新進芸術家海外留学制度を受けアメリカに滞在。個展にProto Landscape(2012、CAI02、札幌)、箱の島(2008、古書一路、東京)、Simscape(2004、Uplink Gallery、東京)、グループ展に、札幌国際芸術祭2014、くうちゅう美術館(2013、名古屋テレビ塔、愛知)、Tokyo International Photo Competition (2013、72 Gallery/東京 & United photo Industries Gallery/NY) 、Spheres(2008、Joseph Gross Gallery, Arizona)。
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